OXIDER History

世界一の二酸化塩素発生剤を

ワンルームマンションからの再出発

「もっといいものを作って二酸化塩素商品を普及させたい」
その一心で8年間ぶりに高架下のワンルームマンションで息子と二酸化塩素事業を再開しました。
ただ、これまで発明した計8件特許権は合併時に大幸薬品に移譲したこともあり、実績はあるものの使える特許はなにもない状態からの再スタートでした。やはり事業をしていく上で、他社との違いを出すためにはこれまでにない技術で、他社が真似のできない特許が必要だと感じていました。しかし、何より気をつけないといけないのは、自身が発明した特許を侵害しないこと。技術としては、これまでより「もっと長持ちさせたい」、「もっと快適に使ってもらいたい」という思いはあったもののアテはなく、仮説を立てながら、実験を繰り返しました。

終わらない実験

終わらない実験

いろいろな物質や配合を試している中で、一つの可能性を見つけることができました。
通常、二酸化塩素は亜塩素酸ナトリウム(安定化二酸化塩素)を酸性にすることで発生しますが、発生する二酸化塩素濃度は原料である亜塩素酸ナトリウムの濃度に依存していました。
しかし、実験の中で見つかったのは、亜塩素酸ナトリウムの濃度を変えなくても、発生する二酸化塩素の濃度をコントロールすることができる、画期的なものでした。
この影響を与えている物質がなにかを研究の末に特定し、商品化するための実用レベルで配合するためには、どういう配合が適切なのか、本当に商品として利用できるのか、それらを検証するために終わりの見えない実験を開始しました。来る日も来る日も実験を繰り返し、サンプル数は約1000にも及びました。

夢のような特許技術

夢のような特許技術

実験の中で、ようやく商品として実現できそうな配合を突き止めました。実験を繰り返してみると、あらゆる条件を変えてみることで、二酸化塩素濃度を自在にコンロトールできる画期的な技術であることがわかりました。特にこれまでの二酸化発生剤で課題とされてきた使用開始時に感じやすい成分臭を軽減することができたと同時に、使用開始時における二酸化塩素濃度の急上昇を抑えることで、持続期間の長期化を実現できることもわかり、ついにCLO2 Labとして初めての特許を出願しました。
資金のない自社だけでの商品開発は厳しいであろうと考え、出願後は、特許出願中ということで、あらゆる企業に技術の売り込みをかけ、共同開発してくれる企業を探しました。しかし、そのほとんどが「クレベリン」に使われている特許を侵害している恐れがあるとして、共同開発してくれる企業は見つかりませんでした。自ら発明した特許を侵害する特許を自ら発明するわけがないと思いながらも、このまま営業活動を続けても前には進めないと思い、自社商品を作ることを決意しました。
時が経ち、特許庁からの出願していた特許の返答がありました。結果は「拒絶」。どういうことかと確認すると過去に自分自身が発明した特許が拒絶理由の1つとしてありました。どこにいっても過去の自らの特許と比較される日々。また他の拒絶理由には海外特許として全く違う用途で使われているものが理由で拒絶となりました。しかし特許では、拒絶通知に対して意見書を提出することができるため、弁理士先生と相談し、直接説明のほうが理解してもらいやすいということで、直接面談によって特許審査官に説明をしに東京まで足を運び、弊社の主張を理解してもらうことができました。
後日、無事、特許として認められました。また特許が認められるまでの過程で見つけた二酸化塩素濃度が素早く有効濃度となる技術もほぼ同時期に出願し、特許として認められました。これにより「すぐに有効濃度で使える」「過剰な濃度上昇を防止して快適に使える」「有効濃度が長く続く」という夢のような2件の特許技術により商品化の目処が立ちました。

こだわり抜いた形状

こだわり抜いた形状

自社商品の開発に着手するにあたり、商品名を考えました。たくさんの候補を上げた中で、二酸化塩素が有する「酸化」という作用に注目しました。酸化を英語にすると「Oxidation」。そこから派生して、「OXIDER(オキサイダー)」という名前をつけました。また機能にはあらゆる面でこだわりを詰め込もうと思いました。まずこだわったのは、容器の形状。詳しくはお話しできない内容ですが、球形とすることで、二酸化塩素の放出量にも影響を与えます。しかし、製造に関しては球形であることがかなり曲者で、いまだに様々な面で苦労することも多いのが現状です。
容器キャップは、スクリューの構造が揮発性の高い二酸化塩素という気体の放出量をコントロールするためにとても優れていることがわかりました。もちろん特許技術によって二酸化塩素濃度をコントロールできるようにはなったのですが、置く部屋の広さによって、二酸化塩素濃度は変化します。そのときに放出する二酸化塩素を制御できる機能が必ずいると感じ、スクリューキャップとして製品化することに決めました。その他、二酸化塩素が色によって濃度がわかる特性を利用して、見ただけでわかる「効果メーター」を容器背面に記載するなど、これまで実現したかった機能を盛り込みようやく商品が完成しました。しかし、この商品をどうやって広めていくかに悩んでいる中で、クラウドファンディングのことを知り、「Makuake」のサイトにこれまでの経歴や技術を商品へのこだわりを掲載し、大変ありがたいことに目標金額の3000%、約1000名の方に商品を買っていただくことができました。こうしてオキサイダーは少しずつですが認知されていくことになりました。